日本よりも広い国土面積のパプアニューギニアは、ニューギニア島東半分、ニューブリテン島、ニューアイルランド島で構成され、赤道から南緯2~11度の南北に広く横たわり、熱帯性気候で北にビスマルク海、東にソロモン海、北にコーラルシー(珊瑚海)を有しており、地球上で500種類以上のサンゴが生息するコーラルトライアングルの中心に位置しています。すなわちパプアニューギニアは豊かなサンゴ礁と無数の魚が群れる世界有数のダイビングパラダイスなのです。
パプアニューギニアのダイビングの特徴
現在、日本の約1.25倍の国土面積を有するこの国にはダイビング設備のあるスポットは7箇所しかなく、それらのダイビングサイトは、各々小さな南の島1つ分にあたる広さを有しています。この7つのサイトには1ないし2箇所のダイビングサービス(ダイビングリゾートを含む)しかなく、サービス1軒のゲスト数は10~20名と小規模ですので、ダイバーに荒らされることもなく、いつも生き生きとしているのです。
またリゾートベースのダイビングスポット以外に、クルーズでしか行くことのできないスポットがいくつもあります。パプアニューギニアには現在4隻のダイブクルーズ船が運行しており、様々なスポットを巡ることが出来ます。
パプアニューギニアの海の大きな特徴は、サンゴが豊かで生き生きとしており、海洋生物の種類が多いことです。また季節の移り変わりはありますが赤道に近く台風が少ないので、どのサイトでも1年中ダイビングが可能です。
パプアニューギニアのダイビングサイト
ダイビングサイトはコーラルシー(珊瑚海)とソロモン海に面したポートモレスビー、アロタウ、トゥフィを含む南東エリアと、ビスマルク海に面したマダン、キンベ湾、ラバウル、ケビエンを含む北西エリアの2つにダイビングシーズンで大別することができます。
南東エリアのオンシーズンはパプアニューギニアの雨季とおおよそ重なる10月~5月頃で、水温は28℃前後です。一方6月~9月は南東から貿易風の影響が強く、うねりによってきれいで冷たい潮が運ばれてきます。この時期、水温は24℃程度まで下がりますが透明度は上がります。貿易風が最も強い時期は例年7~8月です。
北西エリアのオンシーズンはパプアニューギニアの乾季とほぼ同じ5月~11月頃で、水温は緯度によって27~30℃、乾季なので全般的に雨は少ないですが、貿易風の影響で風波がたつことがあります。一方12月~4月は雨季とほぼ重なり、北西からモンスーンの影響でうねりが到達します。このうねりを受けてケビエンではサーフィンが楽しめます。また場所によっては雨が多くなります。
南東エリアと北西エリアのオンシーズンが重なる10月~11月は、全域的に風やうねりがなく、かつ雨季も始まっておらず1年で最も安定した海況となります。その意味ではベストシーズンと呼べますが、潮流は貿易風など風を起因とするものがなくなり、潮の干満のみに頼ることになりますので、回遊魚狙いのダイビングでは大潮を目安とすることがよいでしょう。
一方サウス(南側)のサマライ島周辺は上質のマクロポイントで、NHKでも放映された囚人魚の生態をユージニー・クラーク博士が研究した場所です。さらに南にはマンタのクリーニングステーション「グナバラバラ」があり、水深10m程の砂地の根には、一定のタイミングでマンタが巡ってきます。少ないときで1〜2枚、多い時には10枚以上のマンタを根の傍に着底してじっくりと楽しむことができます。